◆腰が痛いと何もしたくないぐらいつらいですよね。ところで、その腰痛の原因は?
病院で「ヘルニアです」とか「狭窄してますね」とか、きちんと病名をもらった場合は治療の仕方がはっきりしてくるのですが、多くの方が「特に異常がみられない」とか「ぎっくり腰の一種でしょう」との診断をもらい、痛み止めの薬と湿布で済ませているようです。これでは痛みが長引いている方は途方に暮れてしまいます。
はっきりした診断がされない腰痛のうち、一番最初の原因は別の箇所で腰はその影響で痛みが出ている場合があります。腰は様々な箇所のひずみを最も受けやすい場所です。
まず、最初の原因を見つけなれば(思いださなければ)なかなか腰も良くなりません。今回は、結構多い原因の一つをご紹介します。
◆最初の原因となる箇所を見つけるには、腰痛が起こる前の事をよく思い出してみて下さい。痛みが起きる直前でなく数日前からの事です。
長時間椅子に座り続けていた、動かずにじっと立っていることが多かった、左右どちらかの足に負担をかける運動または作業をした、尻もちをついたなどなかったですか?
それから腰の痛み以外に次の症状はないですか? @足の付け根や太もも裏、ふくらはぎにはった感じや痛みがある。Aお尻や肛門付近に痛みがある。B普段そう便秘しないのに急に便秘になった、またはお腹を壊す理由もないのに下痢になっている。Cお腹がはった感じや痛みがあったり、オナラがやたらと出る。Dオシッコが出にくくなった、または洩れる。こういった症状が全部でなくても、一つか二つでも当てはまりませんか? この場合、原因は仙骨神経にあるかもしれません。
◆仙骨神経とは、腰椎の下、お尻の上部・仙骨から出る神経です。
だから、背中を丸めた悪い姿勢で座っていると圧迫されやすい場所です。
また左右の脚のバランスが悪くなっている時にもひずみが起きやすい場所でもあります。
仙骨神経は脚の裏側や膀胱や肛門・結腸・直腸などの神経に繋がっています。なので、上記@〜Dのような症状がでます。仙骨神経の異常はレントゲンでは解りません。
◆人間の身体は複数の痛む箇所がある場合、一番痛い場所だけを感じている事が多いです。実際は仙骨が痛んでいるのに、その影響で腰の方にゆがみが出てしまい、そっちの方が強く痛みを感じ、結局腰痛のみ感じている事があります。
◆仙骨神経の炎症を直す・予防するためには血行をよくする事が大切です。暖めること、そして圧迫する状況を作らないようにしましょう。椅子に座る時は堅い椅子は出来るだけ避け、クッションなどを利用しましょう。
また、お尻の筋肉が固くなっていると仙骨神経にも負担がきますから、ほぐして血行を良くしてあげましょう。
結んだタオルをお尻の下に敷き、お尻を動かしてグリグリするだけでもかなりほぐれます。テニスボール・ゴルフボールなど硬い物でもよいのですが、筋肉が弱っていたり堅くなりすぎている場合は筋繊維を痛める事がありますので、やり過ぎには要注意。(痛いほど気持ち良いかもしれませんが、だからと言ってよくほぐれるわけではありません)
神経の炎症が軽症であれば数週間で良くなります。お腹の症状も含め長引いている方は、仙骨神経は骨盤内臓神経にも繋がっていますので、一度、大腸・肛門科にかかられる事をお勧めします。
表面で『活法整体では力を掛ける時に息を吐く』という事を書きましたが、修行中の時は無我夢中でしたから、堅く張っている箇所は思わず息を止め渾身の力を込めて押してました。無意識にそうしてしまうので、先生や先輩方から「息、止まってるよ」って注意されて気付くこと度々。そういう押され方をすると、施術を受ける方はやたら痛く感じるし、力の割にツボ深くまで入りません。押している本人も終わった時にはヘトヘト……。
これが吐く息を上手に使えるようになると、力任せに押すよりも、ツボ深くまで受け手に不快感を与えずに入れる事が可能になります。そして数時間、押し続ける事ができるようになります。
息を乱さず上手に使えるようになったら一人前、簡単そうで難しいことなんですよね。疲れないコツは『しっかりした呼吸を自然体でする事』、これは全ての事に通じると思いますよ。
ストレッチも吐く息を利用すると楽です