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東洋医学では、秋は『肺の気』が旺盛で気を付けないといけない季節。東洋医学でいう『肺』は、肺という臓器だけでなく、呼吸全般を意味します。ところで、呼吸が止まると大変な事態……なんですが、意外と止まっている事が多いのです。
重い物を持ちあげる時など思いっきり力を出す時に、思わす息が止まってしまいますよね。また、すごく集中している時にも息が止まっていたりしますが、意識されてます?
  針に糸を通したり、パソコンで細かい図を描いたり、年配のスマホ初心者の方はメールを打つだけで息が止まるそうです。さらに、緊張する場面で「息を凝らす」とか「息を詰める」など言いますが、正にそんな場面でも息は止まったりします。
  集中や緊張している時の無呼吸は全く意識されていない事が多いので、運動したわけでも無いのにどっと疲れを感じる時には、度々呼吸が止まっていたからかもしれませんね。
呼吸は肺が膨らんだり縮んだりして起こりますが、この肺という臓器は自ら活動することが出来ません。
  肺は肋骨・胸椎・胸骨に囲まれて出来ている胸郭と呼ぶカゴのような物に入っていて、胸やお腹を膨らませたりへこませたりして、外肋間筋と横隔膜を回りの筋肉と助け合いながら動かし、胸郭を伸縮させて肺を動かしています。
  普段、呼吸するための筋肉運動は、無意識に行われていますが、意識して動かせる筋肉でもあります。もの凄く集中・緊張する場面になると、そちらの方に全ての意識がいってしまい、無意識に行われてる呼吸運動までもぶっとんでしまうようです。
  また、こういう時は交感神経が優位になっていることもあり、呼吸が完全に止まらなくても浅くなっています。

呼吸には、酸素を取り入れて二酸化炭素を出すという大切な働きがあります。酸素が足りないと、疲れを癒やしたり、故障した部分を修復する事ができません。だから、肩こりなどの凝りが起きたり、炎症などもなかなか治らなくなります。また要らない物(二酸化炭素)が溜まりっぱなしなので、肌荒れやだるさが抜けなくなったりという事も起きます。さらに、それだけではなく、身体の中の酸素が足りなくなるともっと大変な事が起きます。
肺で取り込まれた酸素は、血液中の赤血球に乗って身体の隅々まで運ばれ、廃棄物である二酸化炭素も赤血球に乗って肺に戻っていきます。血管が川で、血液は川の水、赤血球が船で、酸素と二酸化炭素はそれに乗っかる荷物というイメージです。隅々まで必要な荷物(酸素)が届かなくなると、届かない部分に不調が起きるので、身体はあわてて船(赤血球)を沢山だして少しでも多くの酸素を運ぼうとします。しかし、赤血球には血液の粘り気を出す役目があるので、増えすぎるとドロドロ血液となり、末端の血管では「つまる」という事がおきてしまいます。また、ドロドロの血液を流そうとすると、いつもの血圧では流れないので、自然と血圧も上がります。
呼吸を止めなくても浅いと酸素不足になるので、呼吸を沢山しなくてなりません。なので自然に浅く早くなってしまいます。
  肩こりの時には、背中や胸にかけての筋肉もはりますが、これらの筋肉は呼吸する筋肉の補助をします。だから、肩こりになると呼吸するのにも堅くなった筋肉を動かさないとけませんから、呼吸もしんどくなり浅い呼吸になります。そうなると必要量の酸素を確保するのに早く筋肉を動かさねばなりません。そしてますます筋肉は疲れ果て悪循環に陥ります。
  ストレスが溜まった時も、交感神経が優位になり呼吸が浅くなり同じような症状が起きます。
ところで、重い物を持ち上げる時に息が止まるのも、全神経をそれに集中させるためのようですが、力を出す瞬間に掛け声(吐く息ですね)を出した方がより力が
出るという実験結果もあります《「よいしょっ!」なども含みます》。活法整体でも力を掛ける時には息は止めずに動作と共に吐くというのが基本なんですよ。

健康・美容のためにも、緊張が続く時や集中のいる作業をした後は、息が止まったり浅くなった分、お腹までたっぷり酸素を取り込むイメージでしっかり深呼吸をして身体をリフレッシュして下さい。
   五行の色体表はこちらに載せています。




腰が痛いと何もしたくないぐらいつらいですよね。ところで、その腰痛の原因は? 
  病院で「ヘルニアです」とか「狭窄してますね」とか、きちんと病名をもらった場合は治療の仕方がはっきりしてくるのですが、多くの方が「特に異常がみられない」とか「ぎっくり腰の一種でしょう」との診断をもらい、痛み止めの薬と湿布で済ませているようです。これでは痛みが長引いている方は途方に暮れてしまいます。
  はっきりした診断がされない腰痛のうち、一番最初の原因は別の箇所で腰はその影響で痛みが出ている場合があります。腰は様々な箇所のひずみを最も受けやすい場所です。
  まず、最初の原因を見つけなれば(思いださなければ)なかなか腰も良くなりません。今回は、結構多い原因の一つをご紹介します。

最初の原因となる箇所を見つけるには、腰痛が起こる前の事をよく思い出してみて下さい。痛みが起きる直前でなく数日前からの事です。
  長時間椅子に座り続けていた、動かずにじっと立っていることが多かった、左右どちらかの足に負担をかける運動または作業をした、尻もちをついたなどなかったですか?
  それから腰の痛み以外に次の症状はないですか? @足の付け根や太もも裏、ふくらはぎにはった感じや痛みがある。Aお尻や肛門付近に痛みがある。B普段そう便秘しないのに急に便秘になった、またはお腹を壊す理由もないのに下痢になっている。Cお腹がはった感じや痛みがあったり、オナラがやたらと出る。Dオシッコが出にくくなった、または洩れる。こういった症状が全部でなくても、一つか二つでも当てはまりませんか? この場合、原因は仙骨神経にあるかもしれません。

仙骨神経とは、腰椎の下、お尻の上部・仙骨から出る神経です。
  だから、背中を丸めた悪い姿勢で座っていると圧迫されやすい場所です。
  また左右の脚のバランスが悪くなっている時にもひずみが起きやすい場所でもあります。
  仙骨神経は脚の裏側や膀胱や肛門・結腸・直腸などの神経に繋がっています。なので、上記@〜Dのような症状がでます。仙骨神経の異常はレントゲンでは解りません。



人間の身体は複数の痛む箇所がある場合、一番痛い場所だけを感じている事が多いです。実際は仙骨が痛んでいるのに、その影響で腰の方にゆがみが出てしまい、そっちの方が強く痛みを感じ、結局腰痛のみ感じている事があります。 

仙骨神経の炎症を直す・予防するためには血行をよくする事が大切です。暖めること、そして圧迫する状況を作らないようにしましょう。椅子に座る時は堅い椅子は出来るだけ避け、クッションなどを利用しましょう。

 また、お尻の筋肉が固くなっていると仙骨神経にも負担がきますから、ほぐして血行を良くしてあげましょう。
  結んだタオルをお尻の下に敷き、お尻を動かしてグリグリするだけでもかなりほぐれます。テニスボール・ゴルフボールなど硬い物でもよいのですが、筋肉が弱っていたり堅くなりすぎている場合は筋繊維を痛める事がありますので、やり過ぎには要注意。(痛いほど気持ち良いかもしれませんが、だからと言ってよくほぐれるわけではありません) 

 神経の炎症が軽症であれば数週間で良くなります。お腹の症状も含め長引いている方は、仙骨神経は骨盤内臓神経にも繋がっていますので、一度、大腸・肛門科にかかられる事をお勧めします。



 表面で『活法整体では力を掛ける時に息を吐く』という事を書きましたが、修行中の時は無我夢中でしたから、堅く張っている箇所は思わず息を止め渾身の力を込めて押してました。無意識にそうしてしまうので、先生や先輩方から「息、止まってるよ」って注意されて気付くこと度々。そういう押され方をすると、施術を受ける方はやたら痛く感じるし、力の割にツボ深くまで入りません。押している本人も終わった時にはヘトヘト……。
  これが吐く息を上手に使えるようになると、力任せに押すよりも、ツボ深くまで受け手に不快感を与えずに入れる事が可能になります。そして数時間、押し続ける事ができるようになります。
  息を乱さず上手に使えるようになったら一人前、簡単そうで難しいことなんですよね。疲れないコツは『しっかりした呼吸を自然体でする事』、これは全ての事に通じると思いますよ。

ストレッチも吐く息を利用すると楽です

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