トップページ
》
会報【ねろりでげんき】の目次
》 ねろりでげんきNo.23
■
東洋医学では、冬は五臓
(肝・心・脾(膵)・肺・腎)
の中で『腎』の気が旺盛で気をつけないといけない季節としています。そして『腎』の勢いがよくわかる部分を「髪の毛」としています。
東洋医学の『腎』は、腎臓という臓器だけでなくその働きや生殖器も含め『精気を蓄えているところ』という意味があります。この『精気』とは元気の素、様々な栄養分はもちろん「快活に過ごせる気力」も含みます。段々と年をとると、どなたでも若い時に比べて精気が少なくなるので
(『腎虚』と言います)
、髪の毛が減ったり、細くなったり、白くなったりすると考えられています。
■
でも、若い方でも急に髪が減ったり白くなったりする事があります。例えば、過度のダイエットで栄養分が偏ったり足りなくなっている時、ストレスが強くかかった時など、正に『精気』が足りなくなっている時です。ご本人に自覚がなくても、美容院で「円形脱毛がありますね」なんて指摘されて気付かされた事はありませんか?。
■
ところで、髪の毛はどのように伸びるのでしょうか? 毛は、草木のように先端が伸びるのではなく、皮膚の下に隠れた部分
(毛根)
のさらに根元
(毛球)
が成長します。
もっと詳しく言えば、毛球の中の毛母細胞が細胞分裂してどんどん毛が伸びていきます。毛根部分が良い状態で髪が成長しなければ、生えた後の荒れた髪が綺麗な髪に変化するのは無理なんです。でも、1本の髪の毛の寿命は4〜6年ですから、途中からでも良い環境にしてあげれば根元の方から元気な髪に変化していきます。ちなみに毛根が入っている毛包
(皮膚表面に見えるのが毛穴)
は、胎児の時に作られその後は増える事はありません。
(一つの毛穴から2、3本生える事があるので髪の量は変わります)
髪の伸び方を知ると、いつまでも健康な髪を保つには、髪の毛の根っこ『毛根』を良い状態に保つ事が大切なのが解ると思います。それは良質のシャンプーやリンスなどで頭皮を良い状態に保つ事も大切ですが、やはり血液に乗せてバランスのとれた栄養と充分な酸素を送る事がもっともっと大切です。
■
では、ストレスが:原因でなぜ抜けるのでしょうか? ストレスがかかった時は、身体を外敵から守ろうとする交感神経の働きが活発になっています。交感神経には末端の血管を締めてしまう働きがあるので、髪の毛への血流が悪くなります。どんなにバランスの良い食事をとっても、それを流す血管の状態が悪ければ充分髪の毛に栄養を送る事ができません。また、ホルモンのバランスも崩れてしまうので、頭皮の水分・油分のバランスも崩れ、外からの刺激(温度差・日光・雨風など)から毛根を守る事が難しくなります。
特にストレスが強かったり長く続くと髪の成長も止まり、ただただ抜けるだけになってしまいます
(この場合はストレスを受けた2〜3か月後が多いですね。なお、化学療法を受けている時も脱毛がひどくなることがありますが、ストレスの脱毛とは機序が違います。)
■
髪の毛は皮膚の一部です。ですので、元気な髪を保つには健やかなお肌を保つのと基本的に同じ、ストレスは大敵です。健やかな髪を保つ方法を少し書いておきます。
●
髪も頭皮も寝ている時に成長するので、一日の汚れや余分な皮脂を落として良い状態にしておきましょう(洗髪は朝より夜が良い理由です)。洗い過ぎると油分が足りなくなるので洗髪は一日一回が適度です。洗う時には指の腹で、頭皮を傷つけないように洗いましょう。
●
髪に良い食べ物として「わかめ」を思い出すかもそれませんが、偏った食事はNG。ビタミン類・ミネラルはもちろんのこと、毛の素となるタンパク質は重要です。大豆・肉・魚も充分とりましょう。ただし食べ過ぎ、特に油分が多い物は余分な皮脂が溜まりやすくなるので要注意です。
●
身体の新陳代謝が落ちている時には髪も頭皮も同じです。なので適度な運動も大切。食事・運動などで免疫力(抵抗力)を上げると、頭の雑菌が増えにくくなり、髪の健康にはもちろんの事、頭が臭くなりにくくなります。
■
上記の方法は、髪やお肌だけでなく、身体全体を健やかに保つことに繋がると思いますよ。
原因が解らない普通でない脱毛は、自己免疫疾患や内分泌異常がある場合がありますので、内科を受診される事をお勧めします。
■
寒い季節は風邪やインフルエンザに要注意です。ところで、東洋医学で言う「風邪
(ふうじゃ)
」は一般に言う「風邪
(かぜ)
」よりももう少し広い意味があります。例えば、インフルエンザは「風邪
(かぜ)
」ではありませんが、東洋医学では「風邪
(ふうじゃ)
」に冒
(おか)
された状態です。(以下からは「風邪=ふうじゃ」として呼んで下さい)
■
『風邪』という意味は、「風に乗って
(空気中から)
やってくる邪気
(悪い物)
」という意味です。『風邪』以外にも外からやってくる邪気には『暑(熱)邪』『湿邪』『燥邪』『寒邪』があります
(これを『五悪』といいます)
。「風・暑・湿・燥・寒」はもともと季節ならではの気候であり『五気』と呼ばれ、通常は病気の原因にはならないのですが、それらの勢いが強くなり、それを防ぐ事ができなければ『五悪』となって病気の原因になってしまいます。それぞれの邪気の起こす病気の特徴は下記です。
■
冬に猛威をふるうのは『寒邪』。これに冒された時の主症状は悪寒・発熱・無汗・頭痛・身体痛・下痢。そして秋から引き続いて勢いのある『燥邪』。主症状は軽い悪寒・から咳・口が渇く・喉痛・無汗または少汗・皮膚の痒みなどです。そして『風邪』は、症状が目まぐるしく変化し、身体の奥深く
(内臓)
ではなく表面を攻撃するので、鼻・口喉などに症状が出やすく、発熱や発汗などを伴う事もあります。
『風邪』は単独では春に勢いづくのですが、とかく北風の吹く時期には『寒邪』『燥邪』と一緒にやってくるので、単独よりも厄介なのです。一緒にやってくると、カゼやインフルエンザのように発病が急で高熱や嘔吐・下痢など症状も一気にひどくなる場合が多いです。しかし奥深くまで入る事は少ないので、暖かくし適度な湿度を保って安静にしていると治りも早いです。言い換えると、冬の『風邪』は「寒」「燥」への対処をしなければ治りません。ちなみに夏に多い『暑邪』は発熱・多汗・意識障害(熱中症の症状)、『湿邪』はしめつけられるような頭痛・四肢のだるさ・関節痛 が、主症状です。
■
もちろん、外からの病気の原因(外因)は『五悪』だけでなく飲食や労倦(ストレスみたいなもの)などもあります。また外因だけでなく、内臓の失調や抵抗力の低下など身体の中の原因(内因)も病気の原因となります。外因の勢いがそんなに強くなくても内因が悪ければ病気になるし、また内因・外因の数や勢いが多くなると病気がひどくなったり長くなったりします。
■
『五悪』から身体を防ぐには、もちろん衣服や冷暖房器具で防ぐ事が簡単ですが、身体そのものに抵抗力をつけておくと、全ての邪気に対しての防御力になります。抵抗力をつける為の基本は、毎々の話になってしまいますが、バランスのとれた食事と適度な運動ですよね。
『バカはカゼをひかない』この言葉は昔から使われている慣用句。カゼをひいて「バカじゃなくて良かったぁ〜」なんて言っている方はいませんか。この言葉は、「カゼをひいても気付かないほど鈍感」という意味が込められているようですが、医学的な根拠も言われています。
近年、多くの病気にストレスが関与している事が解ってきました。過剰なストレスがかかると、血圧が上がったり、眠れなかったり食欲が落ちたり、ホルモンバランスが崩れたりで病気への抵抗力が下がるからです。
「バカな人」というのは「細かい事にこだわらない人・先の事まで考えない人、回りに無頓着な人」という意味でとれば、確かにそんな方々はストレスがあまり溜まりそうにないので、病気になりにくいかもしれませんね。少しバカになってみるとストレスが溜まりにくくなって、カゼもひきにくくなるかも……。
でも、カゼ]をひかないからといって決してバカじゃないです。上手に温度・湿度を調節し、きちんと食事・運動……賢い人は賢い生活をしていないとカゼをひいてしまいます。だから、自信を持って「バカじゃないからカゼひかない」と言って下さい。
HOME TOP
┃
PAGE TOP
┃
会報の目次
Copyright(C) 2007〜 活法整体&アロマセラピー ねろり. All rights reserved