
■東洋医学では、冬は五臓(肝・心・脾(膵)・肺・腎)の中で『腎』の気が旺盛で気をつけないといけない季節としています。そして『腎』の勢いがよくわかる部分を「髪の毛」としています。
■でも、若い方でも急に髪が減ったり白くなったりする事があります。例えば、過度のダイエットで栄養分が偏ったり足りなくなっている時、ストレスが強くかかった時など、正に『精気』が足りなくなっている時です。ご本人に自覚がなくても、美容院で「円形脱毛がありますね」なんて指摘されて気付かされた事はありませんか?。
もっと詳しく言えば、毛球の中の毛母細胞が細胞分裂してどんどん毛が伸びていきます。毛根部分が良い状態で髪が成長しなければ、生えた後の荒れた髪が綺麗な髪に変化するのは無理なんです。でも、1本の髪の毛の寿命は4〜6年ですから、途中からでも良い環境にしてあげれば根元の方から元気な髪に変化していきます。ちなみに毛根が入っている毛包(皮膚表面に見えるのが毛穴)は、胎児の時に作られその後は増える事はありません。(一つの毛穴から2、3本生える事があるので髪の量は変わります)
■髪の毛は皮膚の一部です。ですので、元気な髪を保つには健やかなお肌を保つのと基本的に同じ、ストレスは大敵です。健やかな髪を保つ方法を少し書いておきます。

■冬に猛威をふるうのは『寒邪』。これに冒された時の主症状は悪寒・発熱・無汗・頭痛・身体痛・下痢。そして秋から引き続いて勢いのある『燥邪』。主症状は軽い悪寒・から咳・口が渇く・喉痛・無汗または少汗・皮膚の痒みなどです。そして『風邪』は、症状が目まぐるしく変化し、身体の奥深く(内臓)ではなく表面を攻撃するので、鼻・口喉などに症状が出やすく、発熱や発汗などを伴う事もあります。
『風邪』は単独では春に勢いづくのですが、とかく北風の吹く時期には『寒邪』『燥邪』と一緒にやってくるので、単独よりも厄介なのです。一緒にやってくると、カゼやインフルエンザのように発病が急で高熱や嘔吐・下痢など症状も一気にひどくなる場合が多いです。しかし奥深くまで入る事は少ないので、暖かくし適度な湿度を保って安静にしていると治りも早いです。言い換えると、冬の『風邪』は「寒」「燥」への対処をしなければ治りません。ちなみに夏に多い『暑邪』は発熱・多汗・意識障害(熱中症の症状)、『湿邪』はしめつけられるような頭痛・四肢のだるさ・関節痛 が、主症状です。
