トップページ 》 会報【ねろりでげんき】の目次 》 ねろりでげんきNo.27




『乾邪(かんじゃ・身体に影響を及ぼす乾燥状態)』『寒邪(かんじゃ・身体がこたえる寒さ)』が猛威をふるう冬になりました。この二つの邪気は風邪やインフルエンザの元です。  『ねろりで元気23号』で、「バカはカゼをひかない」の話しを書いた事があります。その時は、“バカ”を『鈍感な人』という意味で使い、「カゼをひいたのも気付かないほど鈍感な人」という内容のお話しでした。今回はこの“バカ”を『楽天家』という意味にとって、「健康にとって楽天的であるという事は大切だ」というお話です。
カゼはいくつかの原因が重なり合ってひきますが、ストレスもその一つとなります。ストレスがかかっている時には、そのストレスから身体を守るために自律神経の交感神経が活発に働きます。交感神経は、血圧・心拍数を上がらせ呼吸を速くし、身体全体を戦闘モードにします。これはこれで身体にとって大切な反応なのですが、この状態が長く続いたり、身体を十分休める事なく度々起きる事が良くないのです。そんな状態だと、全く逆の働きをする副交感神経の働く時が短くなってしまいます。副交感神経には消化器官を活発にし、食べ物の消化・吸収を促進させる働きがあります。テレビで度々『これを食べると病気にならない!!』等の番組を目にしますが、いくら食べても栄養を吸収する事が出来なければ何にもなりません。
胃腸は自律神経の影響をとっても受けやすい臓器です。特に腸は、細菌やウィルスなどの外敵と戦うリンパ球の半分以上が集まっているので、免疫器官(外敵から身体を守る器官)として身体の中でとても重要な役目を担っています。免疫器官の働きが鈍ると免疫力が下がってしまい、カゼやインフルエンザなどのウィルスに対して十分に抵抗する事ができなくなります。抵抗力が落ちるという事は病気になりやすくなるという事です。もちろん交感神経の働きも大切なので、あくまで副交感神経と交感神経、どちらかに偏らずバランス良く働く事が大切です。
心配事はストレスの元、いつもいつも心配ばかりしている方は、ストレスをため込んでいる事が多いので自律神経の働きが交感神経の方に偏っている可能性があります。その反対に「まっ大丈夫さっ、何とかなるよ」と考えられる楽天的な方はストレスをため込みにくいです。だから同じ環境であれば、心配性の方より免疫力が正常に働きやすく、病気になりにくいようです。
少し話しは変わりますが、心理学の研究で「軽いうつ傾向の人
(うつ病というほどでは無い人達)の方が、うつ傾向の無い人よりも自己評価と他人から見た評価が一致している」という研究結果がでています。更にうつ傾向の無い人は、周りの他者の評価より自分の事を少しばかり「よい人・できる人・自分が正しい」と思う傾向があります(若干のコンプレックスは別にして)。簡単に言うと、多くの健康な方は自己評価が実際よりちょっと高くて、軽いうつ傾向の方のほうが現実を直視しているという事なのです。心当たりはありませんか?  自分はそんな事は無いと思っている方、自己評価だけでなくポジティブな考え方……例えば宝くじ、買う時には「当たるかも!」と、思って買うでしょっ……「100%ハズレだ」と思ったら買いませんよね。でも、ジャンボ宝くじの1等賞の確率は1000万分の1、限りなくハズレに近いです。これもポジティブな考え方の一つ、当たった時の事を想像するだけでも楽しいですよね。それから、このポジティブな考え方は、災害・不幸も自分や自分の家族には起きないだろうと思っている事にも繋がっています。(普段は意識していないのは、特に心配していないからだと思います) 
  この適度にポジティブな考え方は、落ち込まず前向きな生活をしていくために、とても大切な事なのです。あくまで「災害や病気に備えなくていいですよ」って言ってるのではなくて、「ちゃんとした備えや健診をしているのであれば、必要以上に心配していると返って病気の元ですよ」って言う事です。
ポジティブな考え方は、少しでもストレスを作らないという意味で、病気から身体を守る免疫力を上げるだけでなく、前向きな生き方にもとても大切で、心の病への防衛力になっているとも言えます。 。





今回は、悩み事が多くて寝付けない……というのでなく、何となく寝つきが悪い方へのお話です。
まず、右下のグラフを見て下さい。これは、規則正しい生活リズムの方の体温と眠気の関係のグラフです。体温は、朝の起床2〜3時間前が最も低く、それから体温が少しづつ上がり始め、活動できる準備を始めます。そのまま夕方にかけて徐々に上がっていき1日の最高に達します。健康な方で1日を通して1℃ぐらいの体温差があります。そして眠りにつく3〜4時間前から手足に熱を集中させて放熱し体温を下げていき、胴体の体温も下がりだすと眠気がおきます。そして体温を下げながら深い眠りに入っていきます。“良い寝つき”には、この“手足から放熱し体温を下げる”という事がとても重要なのです。だから眠たくなったら手足が熱くなります…子供は解りやすいですよね。「就寝時に足が熱すぎて布団から足を掘り出してしまう」という話しを耳にしますが、これは身体の周期としては正常です。ただ、やや自律神経の微調整が難しくなっているかもしれません。
この体温のリズムと就寝・起床がうまくいっていないと眠れない・起きられない状態になってしまいます。寝つきの悪い方は、意識して就寝3時間前に最高体温に持っていくようにすると良いです。そのためには、
夕方から就寝3時間前までの時間帯に、ウォーキングや体操など軽い運動を30分ぐらい汗ばむ程度してみましょう。
40℃のお湯で20分程度の入浴を就寝の1〜2時間前までに済ませておきましょう。湯温が高すぎたり長風呂はかえって寝つきを悪くします。(半身浴の場合もとても長いのは逆効果です)
冷え性の方は、就寝時間でも手足が冷たいので体温を上手く下げる事ができず、寝付つきが悪くなりがちです。ですので足を温める事をお勧めします。簡単なのが足湯をして足が冷えないうちにお布団に入るという方法です。半身浴の場合は38〜40℃のお湯に20〜30分程度つかり、就寝1時間前にはお風呂から上がります。湯たんぽは、最初暖かく段々常温になるので理想的な暖房具です。靴下を履いて寝るのもよいですが、厚すぎる靴下だと熱が放出されにくくなってしまいます。
「眠れない」と言われる方に睡眠時間が全体に長すぎる方がみられます。個人差はありますが、成人で1日6〜8時間(お昼寝される方はそれも足して)、それ以上は逆に身体に良くないようです(病気の方は別です)。また、年をとるほど睡眠時間は短くなるのが普通ですので(睡眠が必要なくなるので)、「若い時に比べて眠れなくなった」は極端な不眠でない限り、あまり気にされなくてよいです。
寒い時はお布団の中が心地良いですが、長すぎる睡眠はかえって身体がだるくなったり、変な時間に眠気がしたりとあまり良い事はないですので、お布団と仲良くするのはほどほどにしましょうね。


  表面で「ストレスは溜めない事が健康に大切だ」という事を書きましたが、「そんな事を言われても……」と思われる方も多いでしょう。ストレス解消にスポーツなど勧められてもそれもなかなかハードルが高いし、逆に疲れが溜まってしまう方もいるでしょう。そんな方にお勧めなのが『おしゃべり』です。心に溜まった愚痴を外にはき出すだけでかなりのストレス解消となりますし、しゃべっている間に気持ちの整理ができ、考えがまとまる場合もあります。  ただ、毎日、長々愚痴をこぼしていると、さすがの友達・親族の方にも嫌われてしまうかもしれません。そんな時には、日記のような物に書き出してみたり、愚痴を聞いてくれる職業の方に聞いてもらうのも1つです。
  具体的には心理士やカウンセラーという人々です(ねろりでもご遠慮なく愚痴を出して下さい)。そういう仕事の方は原則的に秘密厳守なので身内よりも安心して気持ちを出しやすく、しゃべっているうちに気持ちが落ち着くかもしれません。  解決が難しい悩みをため続けるのは心の病気の元です。女性はおしゃべり友達をお持ちの方が多いようですが、その点、男性は悩みや愚痴を出せる相手をお持ちで無い方が多いので、仕事として悩みを聞いてくれる方を利用される事をお勧め致します。


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