■春はなんとなく眠たかったり頭がボーッとしませんか? 今回は一日の身体のリズムからそのお話を書きます。
■前回号で一日の体温の周期の話しを書きましたが、日々勤務時間が変わる方でも健康であれば、この体温の周期は毎日同じように起こります。体温だけでなく血圧・ホルモンの分泌・神経活動には一日の周期・リズムがあります。このリズムを刻む体内時計は遺伝子的に決まっていて、ネコや犬はもちろん虫や植物にもあり、ヒトの場合は24時間+αで、これを概日リズムといいます。「あれっ? 24時間ぴったりじゃないの?」と思われた方もいらっしゃるのでは? ヒトの概日リズムは個人差があるものの実際の一日より少し長く、それを光や気温などの環境や食事・動作などの生活習慣で体内の時計を合わせながら、規則正しいリズムを作ってします。
■ 赤ちゃんは、生後1ヶ月までははっきりしたリズムを示しませんが、2〜3ヶ月になると明らかな概日リズムがでてきます。このことは、概日リズムが遺伝子だけでなく環境の影響を受けながら育つ部分もあると説明できます。概日リズムの調整には、特に目から入った光の影響(特に太陽)は非常に大きいです。ですので、赤ちゃんの寝ているお部屋に昼夜のメリハリ(夜は暗く静かに・昼はカーテンを開けて日光を取り入れるなど)をつけてあげる事は大切です。それは、赤ちゃんだけでなく成長期の子供達にとって昼夜のメリハリはとてもとても大切です。
■ あらゆるヒトに必要な成長ホルモンは(お肌のターンオーバーにも大切です!!)入眠後の3時間に分泌されます。お肌のゴールデンタイムといわれる夜10〜2時は、理想的な概日リズム・夜10〜11時に入眠した場合のことなのです。
これは一つの説ですが、概日リズムに従い、夜寝ている間に成長ホルモンを出し細胞を分裂(遺伝子の分裂)させるのは、紫外線の影響をうけて異常な分裂(ガン細胞など異常な遺伝子をもった細胞分裂)を起こさないようにする為とも言われています。
■ 最近は夜型生活に傾いている方が多くなり、太陽の光を殆ど浴びない生活の方もいるようです。また、布団の中でも携帯を見続けているという話しも聞きますが、夜中も光が目に入る生活をしていると体内時計が正確にリセットしにくくなります。
完全にリズムが崩れると概日リズム睡眠障害に陥り、夜に眠れないため昼間に眠くなったり、頭痛・耳鳴り・めまい・消化不良などの症状を起こしてしまいます(急性の場合はいわゆる『時差ボケ』この場合は通常の生活に戻る事で自然と良くなります)。いつも寝つきがひどく悪く、朝方になると眠くなり午前中は居眠りをしてしまうけれど、午後からは普通に生活ができる方は、概日リズム睡眠障害を起こしている可能性があります。そうなると自然に戻すのが難しくなりますので、病院にご相談下さい。
■ それから年をとってくると概日リズムのメリハリが小さくなってきます。なので「夜たびたび目が覚めて眠れない」という事が起きてしまいます。だから年をとるほどに、昼間は太陽の光をしっかり感じながら活動し、昼と夜の生活のメリハリをつける事が、夜の良い睡眠にとって大切なこととなります。
■ 昼間が急に長くなり気温も急上昇する春は、体内時計を環境に応じて合わせるのも大変、体温・ホルモン分泌などをリズム通りに調整する自律神経もフル稼働です。特に春は、冬眠モードを引きずっていますので、眠い感じ・だるい感じが起きやすくなるようです。そんな時こそ、少しでも朝日を浴びるように心がけてみましょう。
一昔前までは、こんなに運動、運動っていうような事は言わなかったように思います。なぜなら昔は今よりずっと不便だったので、身体を動かさなくちゃいけませんでしたから。例えば和式トイレ、一日に数回スクワットをしていました。車も無かったので歩いてました。(都会の人の方がよく歩いてますね)今は掃除もルンバが……洗濯も全自動、干さなくても乾燥機が……電話はいつも携帯が手元に……買い物もインターネット。
以前、印刷会社に勤めていた時、簡単な文章まで全てパソコンで打ち込んでました。ある時、ボールペンで長文を書かないといけない事があり、その時に筆圧が思うように保てない事に気付きました。へたくそな字がメチャメチャへたくそな字になりました。文字を書くための筋肉が弱ってしまっていたのです。
『運動』というとハードルが高いように感じますが、要は何でもいいから筋肉を使うということなんですよね。ちょっとした距離も車を使い暇があればパソコンの前で固まっている生活にいつも反省しています。(反省してるだけではダメですね……(^0^))