トップページ 》 会報【ねろりでげんき】の目次 》 ねろりでげんきNo.30




東洋医学では秋は『肺』が旺盛な季節。東洋医学の意味する『肺』は肺という臓器だけでなく、呼吸という機能全体、呼吸に関わる器官も含みます。そして呼吸といえば息、今回は息に始まって呼吸について書いてみました。
『息』という言葉は、「肩で息をする」のように呼吸そのものをさしたり、感情の状態や人の勢いを表したりします。例えばやる気満々の「鼻息が荒い」、自信満々で豪語する時は「息巻く」、びっくりした時の「息を呑む」、とっても困っている時の「青息吐息」、喜んだ時の「息を弾ませる」、少し休む時の「息休め」、緊張した場面の「息詰まる」「息を凝らす」。時には「虫の息」「息絶える」「息を吹き返す」みたいに命そのものを表すこともあります。
その他、性格や他者との関係や本質を表す時にも「息が通う」「息が合う」「息が長い」「息が掛かる」etc……。『息』がこれほど広い意味に使われるのは『酸素を吸い込んで二酸化炭素を出す』という行為だけでなく、『生きる』という事そのものの意味を持っているからだと思います。事実、息が止まると生きていけない事は小さな子供でも知っていますよね。
では、これだけ大切な、時には身体の中の事・心の中の事も教えてくれる息ですが、どこでしていますか? 「当然、鼻でしょっ!」というべきでしょうが、意外と口でしている方が多いようです。では、なぜ口より鼻で呼吸した方が良いのでしょうか?
まず入り口直ぐに生えている鼻毛、空気に混じっているホコリが入らないようにしています。鼻の穴(鼻腔)の中はネバネバ粘膜に短い毛がびっしり生えていて、鼻毛をすり抜けた小さなチリや細菌もそこでシャットアウトされます。そうやって気管や肺にできる限り綺麗な空気を送るように頑張っています。
また、洗浄フィルターとして以外にも、鼻の中のネバネバ粘膜の道を空気が通る事で、適度な湿度と温度に空気を調整し、気管と肺に負担をかけないようにしています。
  これが口呼吸だと、フィルター機能も温度・湿度調整機能も鼻には及ばないので、病気の菌・ウィルス、ホコリなどが肺に入りやすく、乾いた冷たい空気が入ると気管支が傷ついてしまう可能性が高くなります。そうなると風邪を始め病気に掛かるリスクがぐ〜んと高くなります。だから出来る限り鼻呼吸をした方が良いのです。
  東洋医学では『鼻は外面に現れた肺の気管と言える』としていますので、『肺』と言うと鼻も含めてしまいます。それに対して口は『胃』や『脾(膵臓に近い意味)』の方に含まれ、食べて消化する器官として扱われており、各々の役割分担は深い意味があります。
特に鼻に異常が無いのに、クセで無意識に口呼吸になっている方のための対処法を少しあげてみます。
口の筋肉が弱っているために口がポカンと空いてませんか? その場合は鍛えましょう。おおげさなぐらい大きな口の動きでゆっくりと「あいえうお」、最後に舌を思いっきりだして「べぇ〜」
口だけマスクをしてみましょう。口よりも鼻の方が呼吸しやすくなるので自然と鼻呼吸に戻る場合があります。また、口呼吸になってしまってもストレートに空気が入るより湿度・温度も少しは調整され、気道が傷つくのを防げます。特に睡眠時にはお勧めです。チリ・ホコリやウィルスから身体を守るためには鼻と口にマスクですので、ちょっと違います。
口にテープ、上唇から下唇にテープを貼ります。『口呼吸防止テープ』とか『鼻呼吸口止めテープ』などの名前で市販されています。『低刺激ばんそう膏』でも良いですので、お肌に合う物を選んで下さい。外出される時、おしゃべりする時は当然ですがはがしましょうね。
いつもポカンと口が開いていると折角の美男・美女も台なしです。
  また、朝起きるとノドが痛い、声がかれている、いびきがひどい方は、寝ている時に口呼吸になっているかもしれません。また、このような方は副鼻腔炎のような鼻の病気になっている場合があります。鼻が不調だと熟睡出来ないので、イライラしたり頭痛に悩まされる事もありますので、一度耳鼻科にかかる事をお勧めします。
  空気が乾燥する秋から冬にかけては病気予防にも鼻呼吸は大切ですので、お鼻のコンディションを整えておきましょう。
 






何を食べても美味しい季節、ついつい食べ過ぎて「しまった、ダイエットだ!!」という事になっていませんか。ダイエットといってもいろんな方法がありますよね。リンゴダイエット、バナナダイエットみたいにそればっかり食べるのは、栄養が偏りますし、リバウンドし易いので絶対お勧めしません。逆に、〇〇は食べないダイエットも考えものです。
今、是非を問われているのが、炭水化物抜きダイエット。 炭水化物を完全に抜くと最初は体重がグッと減ります。だから「わぁっ凄い効果がある!!」と思ってしまいます。だけどこの時にグッと減るのは水分です。
  身体にとって基本のエネルギーは糖質、炭水化物(糖質)が外から入ってこない時は身体中に蓄えたグリコーゲン
(糖質)を利用しますが、グリコーゲンは水と一緒になって保存されているので、グリコーゲンを使うとその分の水分はいらなくなり体外に出されます。なので体重が目に見えて減ります。脂肪が燃えて減るのではありません。
それから、身体の中で一番に大飯ぐらいの臓器は『脳』、じっとしている時でも脳は全部のエネルギーの約2割を使い、他を犠牲にしてでも『脳』は栄養をとります。でも脳のエネルギーは糖しか使う事ができません。なおケトン体というのも使えますが、それは糖が足りない場合で一番は糖です。
糖が足りなくなると糖新生という作業で糖を作ります。この糖新生の材料はタンパク質と脂肪。その状態が長引きそうだと脂肪を使ってケトン体というのを作り、それを脳に送ってエネルギーに変えます。
「ほらっ、炭水化物を食べなくても、脂肪とタンパク質から脳のご飯ができるじゃない!」そうなんですが、グリコーゲンの分解も糖新生もケトン体作成も、脳のためのエネルギー製造工場は、殆どが肝臓なのです
(骨格筋のグリコーゲンは骨格筋で使います)。小腸から吸収された栄養素を使うよりずっと複雑な作業です。 通常でも働きづめの肝臓、たまにではなく、ずっとしんどい仕事をし続けると疲弊してしまうかもしれません。
  身体は、胃・心臓・腎臓・肝臓etc.……各々が助け合いながら維持しています。東洋医学では肝・心・脾・肺・腎の5つのどれかが強すぎたり(働きすぎたり)弱かったりするのが病気の元と考え、バランス良く働くのが理想としています。たとえダイエットがうまくいっても、その後が悪ければなんにもなりませんよ。
それから食事を減らすだけのダイエットというのは、体重を維持して活動するエネルギーよりも食べる方が少ないということですよね。この方法だと脂肪だけでなくタンパク質・筋肉もエネルギーに変えるので
(上記の糖新生とい作業です)、筋肉は重いので体重がグッと減ります。しかし、筋肉が減るとエネルギーの消費しにくい身体になって、返って痩せにくくなります。
  また筋肉が無くなると腰痛や肩こりの元、こけやすくもなるので怪我の元、良いことはありません。ダイエットで大切なのは筋肉は出来るだけ保持して、脂肪を燃やすという事です。その方法は前号No.29の『有酸素運動ってなぁ〜んだ』を参考にして下さい。
くれぐれもダイエットは、@ バランス良く食べる、A 筋肉が維持できる程度の運動も併せる、B 急激な体重減少を目指さずゆっくり痩せる、の3つで行って下さいね。






 東洋医学では、勢いのある鼻の人は、しっかりとした呼吸が出来ている人で、元気な人と考えられています。そして、こういう人は病気にかかりにくいだけでなく、持久力にも優れ、意志も強い人と思われています。上記の性格を全部含むと財力にも恵まれる人となります。こんな方は、いろんな意味で嗅覚も優れているのかもしれません。
  具体的な人相学的に良い鼻とは、大きな鼻翼=ふっくらした鼻、鼻梁も高い方が良いとされています。長さは額の髪際から顎先までの3分の1が良いとされています。ですが、やたら鼻だけがでかくても他
(目・口・耳)とのバランスが悪ければ、鼻など『肺』を酷使してしまうタイプで、『肝』に負担をかけやすい人のようです(相克の関係です)。それから胃腸の弱い人は口・鼻が小さめ、体力的にも虚弱な人が多いとしています。
  上記例外の方も多々いますし、どんなに立派な鼻を持っていても鼻の調子が悪ければしょうがないです。親からもらった大切な鼻、最適な状態にしておきたいものですね。




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