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食欲の秋、ついつい食べ過ぎてダイエット……という方もいらっしゃるのでは? ダイエットで食事量を減らすのは解るのですが、肉類を「脂肪があるから」と殆ど食べない方がいますが「それは身体に良くない、時には逆に太りやすくなる」というお話です。
ダイエットされている方に「ビタミンはしっかり摂って下さい」と伝えると「野菜はしっかり食べてるから大丈夫」と答える方がいらっしゃいます。確かに野菜、果物にはビタミンCやAをたっぷり含んだ物が多いです。でも、ビタミンB群については、肉や魚介類の動物性食品の方に多く含まれているのです。
ビタミンB群は脂肪や糖質を燃やしてエネルギーを作ったり、タンパク質を合成して筋肉や神経をつくるのに必要ですので、充分摂らなければ疲労はとれませんし、筋肉痛を含め怪我の治りが悪くなります
(全然足りない場合は病気になります)。ざっとビタミンB群の代表的な役目をあげてみます。
B1は、糖質をエネルギーに変える作業に必要で、これが足りないと運動しても糖質が燃焼しません。そうすると身体がだるくなるし、脳も充分働けなくなり神経の働きも悪くなります。
B2は、脂質をエネルギーに変えるのに必要で、ダイエットには欠かせません。皮膚や粘膜を健やかに保ちます。
B3(ナイアシン)は、脂質・糖質・タンパク質の分解時に不可欠で、皮膚や粘膜の炎症を防ぎ、神経を正常に保ちます。
B5(パントテン酸)は、脂質・糖質・タンパク質の分解時に必要です。神経・副腎皮質の機能を正常に保ちます。
B6は、身体や血液のタンパク質の合成をするのに必要なので、足りなくなると脳や神経の働きが悪くなります。
B12は葉酸と一緒に働き、タンパク質の代謝や核酸(遺伝子の元)や赤血球を作る作用に関わっているので、足りなくなると神経や脳の働きが悪くなります。
それから、カロリーを消費するには、筋肉を動かしてエネルギーを消費するのが一番ですが、その筋肉は何から出来ているかというとタンパク質です。食べたタンパク質を分解して、血や筋肉や神経などの身体の部品としてタンパク質を作り変えますので、食べて摂らなければなりません。筋肉はタンパク質を摂らないと痩せて萎縮してしまいますが、そうなるとエネルギーの消費効率が悪くなり、身体は冷えやすいし太りやすくなります。だからきちんとタンパク質を食べて運動するというのがダイエットには大切なのです。また、身体を調整するホルモンの材料としてもタンパク質は重要です。だからタンパク質を食べないといろんな不調が身体に起きてしまいます。
それから多くの方が“敵”だと思われているコレステロールも身体を調整するホルモンの大切な素材です。ストレスと闘うためのホルモン・コルチゾールはコレステロールを原料にしています。運動している時は交感神経モードですが、その時に分泌されるアドレナリンやノルアドレナリンもコレステロールから作られます。これらのホルモンが働いて蓄えている脂肪を燃焼させエネルギーを作り、身体の熱を産生しますので、足りないと脂肪は燃えにくくなり、冷え症になってしまいます。また女性ホルモンのエストロゲンや男性ホルモンのアンドロゲンもコレステロールから作られるので、過激なダイエットをすると生理が止まってしまうことがありますが、ホルモンの材料が足りなくなると何かが犠牲になってしまいます……。
ダイエットの基本は「必要以上の量を食べない」ということで、全く肉類や脂肪・糖質を食べないというのはリバウンドも起こしやすいし、身体に不調が起きる危険性もあります。
基本は食べ過ぎないことと適度な運動ですよね!!
   
※腎臓など内科的な疾患がある方は、お医者さんの指導に従って下さい。




東洋医学では秋と一番関わりの深い臓器を『肺(気管支も含む呼吸機能全体)』とし、『肺』と最も関係の深い表情を『悲・哀』としています。肺や気管支の調子が悪い方の声が枯れていたり弱々しく感じ、悲しい声に聞こえるからのようです。でも『悲・哀』と関係の深い「泣く」ということは決して悪いことではないようです。今回は、「泣く」について書いてみました。
ところで、「泣く」といってもいろんな状態がありますよね。例えば赤ちゃんの「泣く」という行為は、不快感を伝えるという働きがあり、タマネギをむいた時や目にゴミが入った時の涙には異物を外に出す働きがあります。では、悲しい時はもちろん凄く興奮した時や感激した時などの「泣く」という行為はどういう働きがあるのでしょうか?
悲しかったり酷くビックリしたり感動したりして涙が出る時は、凄く感情が動いている時で、良い意味でも悪い意味でもストレスが掛かって交感神経が優位なモードになっていると言えます
(交感神経の働きは戦闘モードでしたよね)。こういう時は脳の共感脳という部分が激しく興奮している状態です。激しく脳が興奮している状態の交感神経優位モードが長く続くと疲れてしまうので、脳は自分を守るため脳全体を副交感神経優位モードにし、興奮を静めようとします(副交感神経は心身を癒やすモードですよね)。その時に副交感神経から「涙をだしなさい」という信号も一緒に出るので涙が出るようです。ようするに、「泣く」ということは、ストレスで興奮している脳をリセットするために副交感神経を働かせて「脳を守る行動」であり、その結果「涙が出る」ようです。
睡眠は、寝ることによって副交感神経を働かせ脳を休め、ストレスを解消するという役目がありますが、「泣く」というのは“起きている時”に副交感神経モードにして、過剰なストレスから脳を守るための身体のシステムだと言えます。だから「泣きたいときには泣けばいい」……どっかで聞いたことがあるセリフですけど、これって理にかなっているのです。それから、抑えるように泣くよりも号泣した方が、副交感神経モードに切り替えやすく、泣いた後のスッキリ爽快感も強いようです。なお、タマネギをむいた時や目にゴミが入った時の涙は癒やしモードとは関係無く、ただの“反射”ですので、ストレス解消にはなりません。
前回は「笑う」について書きましたが、「泣く」と同じようにストレスを解消する表情でも、「笑う」は気持ちを元気にし、「泣く」は気持ちをすっきりさせるという違いがあるようです。また、「恐怖」で涙が出る場合がありますが、この場合は先に脳の血流が減るので
(「血の気がひく」って本当なんです)、涙が出てもスッキリ感は少ないので、涙が出るほど怖い映画はお勧めしません。
緊張が続いている時など、感動するドラマや映画をみたり、心に染みる歌を聴いたりして涙を流すのは、副交感神経モードに心身を切り替えるということなのでお勧めです。特に男性は「男の子なんだから、泣いちゃだめよ」と言われて育っている方が多いと思いますが、男性も泣いて脳を緊張からリセットするのは大切です。人前がダメなら一人になった時に思いっきり泣いてみましょう。  
 (参考 『涙とストレス緩和』有田秀穂 日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)129,99〜103(2007))


痩せるには糖質を抜くのが手っ取り早いと思われているようですが、どうなんでしょうか?
「満腹だ」というのは脳が満足して初めて感じる感覚です。以前に書きましたように脳の栄養は糖、糖が足りない場合は脂肪などを分解して糖の代わりとしますが、それには時間が掛かってしまいます。例えば飲み会で焼き肉やビールをたっぷり飲食した後、お腹はいっぱいのはずなのに、お茶漬けやラーメンなど炭水化物が食べたくなったりしませんか? これは肝臓がアルコールの分解に糖を必要とするのもありますが、胃腸の中は満腹でも、脳は「まだ足りない」と感じているからです。炭水化物をとった方が早く満腹感を感じやすく、完全に抜いた時よりもリバウンドしにくいようです。
ただし急に大量の甘い物を飲食すると血糖値が急激に上がり、それを調整しようと膵臓からインスリンが大量に分泌され血糖値を下げますので、速く空腹感を感じてしまいます。だから、食事はゆっくりとよく噛んで食べ、急激に血糖値を上げないというのも大切です。とにかく問題は「食べ過ぎ」なのであって、炭水化物が悪いのではありませんよ。




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