トップページ 》 会報【ねろりでげんき】の目次 》 ねろりでげんきNo.37




40歳を過ぎるとイライラしたりのぼせたりすると「もしかして更年期?」と感じる方も多いのでは? 更年期は、体質や生活習慣によって始まる時期はまちまち。通常は50歳ごろと言いつつも、早い場合は40歳前後から更年期状態になることもあります。また、症状の出方も自律神経に出やすいタイプとか、心に不調が出やすいタイプ、体に不調が出やすいタイプなど人によって違うようです。
更年期障害の第1の原因は性ホルモンが減ること。女性の場合、一般的に40歳を過ぎると卵巣の中の卵胞の数が急に減って閉経に向かっていき、卵胞から多く分泌される女性ホルモンのエストロゲンがそれと共に急激に減少していきます。エストロゲンは女性らしい体を作るのが主な働きですが、それ以外にも大切な働きがあります。例えばエストロゲンが減ると、コレステロール値が上がりやすくなり、すると血圧も高くなるし、骨密度は下がるので骨折のリスクも上がります。エストロゲンを作る場所は、閉経前の女性は大部分を卵巣で作りますが、卵巣以外でも抹消組織、その中でも多くは脂肪組織で生成しています。だから、卵巣からの分泌が減ると脂肪からの分泌が主となっていきます。閉経ごろになると「最近お腹周りに皮下脂肪が…」というのは、皮下脂肪を増やして調整しているのかもしれません
(内臓脂肪は別物です!!)
ところで男性は?。男性は閉経のようなはっきりとした境目がないので個人差も大きく期間もはっきりしないですが、“男性らしさ”を作る働きの男性ホルモン・テストステロンが減るので、男性も更年期障害を起こします。テストステロンは20代をピークに徐々に減ってくるのですが、55~65歳頃には体調の変化を感じられるぐらい減ってしまうようです。テストステロンは筋肉の強度を調整しているので、これが減ると筋力が急激に衰えていくだけでなく、筋肉が減ると代謝が悪くなり内臓に脂肪がつきやすくなるし、活力(性欲もその内です)の元でもあるので、そちらの面にも衰えが出てきます。
  またテストステロンは「勝ち」のホルモンとも言われ、前向きで精力的に行動していた方が急に社会性が無くなったりクヨクヨしだした時には、テストステロンが減っているのが原因かもしれません。勝負事に勝ったり褒められたりすると分泌が増えると報告されていますので、クヨクヨし出すと悪循環に陥りうつ病のような状態になる可能性もあります。
「更年期は性ホルモンが減るのが原因だったら、ホルモン剤でも飲めばいいんじゃない?」と思われた方、それは危険です。エストロゲン過剰だと子宮癌のリスクが上がります。またテストステロン過多も前立腺肥大や前立腺癌の方は病気を促進させる可能性があります。年齢と共に性ホルモンが減るのは、そのリスクを下げる自然な摂理でもあるようです。「不足気味かも?」と思われた方は、勝手な判断はされずにまずは病院にご相談ください。
更年期障害の対処法は、原則は良い睡眠とバランスの良い食事、ストレスを溜めない生活です。普段から緊張が続く生活やイライラする事が多いと交感神経優位に、反対にダラダラとした単調な刺激の無い生活は副交感神経優位になりがち。特に上の表の自律神経の症状が多く出ている方は規則正しい生活とストレス解消をお勧めします。
テレビで「〇〇が体に言い」と盛んに色々な食物を奨めていますが、全部を総合的に考えてみたら、片寄ら
ずに様々な食材をバランス良く、よく噛んで食べる、ということになるのではないでしょうか。
更年期の症状が体に出やすいタイプの方は運動をお勧めします。筋肉は使わなければどんどん衰えてしまいますし、骨を維持するためにも運動は必要です。身体がこわばっているからと動かさないでいると益々固まります。ラジオ体操のように全身の筋肉や関節を動かす運動はとても良いです。それに筋トレのような筋肉を強くする運動も少し加えてみましょう。
心に症状が出やすい方は戸外で気張らしが出来れば良いですが、それもハードルが高い場合、泣けるぐらい感動したりハラハラドキドキするようなドラマ・映画を見るのが良いようです。(後味が良いストーリーにして下さいね)疑似体験でしっかり心を動かすことが、後のスッキリ感に繋がるようです。
男性の更年期対処法として、テストステロンは「勝ちのホルモン」なので、競い合ったりの行動は分泌量をあげるようで、その意味で対戦競技は効果があるようです。将棋や囲碁などのゲームは同時に頭の体操にもなるので良い効果が期待できます。競い合うスポーツは筋肉が弱くなるのを防ぐだけでなく、運動で筋肉に刺激を与えるとホルモンの分泌が増えるので最適かもしれません。なお、過剰なストレスは元凶ですから、勝ちにこだわり過ぎて返ってストレスを溜めないよう上手に遊んでください。






「ストレス掛かってませんか?」とお聞きすると「周りは良い人ばかりで嫌なことはあまり無いです」と応える方がいらっしゃいます。嫌なことだけがストレスだと思われてませんか?
ストレスとは簡単に言うと「外から何らかの刺激があって、体や心が緊張した状態」。
何か気になる事があって、それを考えている時も軽い緊張状態になっています。これは良い内容でも悪い内容でもです。で、今回取り上げるのは、「集中とストレス」です。「集中していること」そのものは決して悪いことではないです。集中する時は、まず心・脳がある事に注意を向け、身体全体でその注意した状態を維持し続けるということ、「身体全体」が少し緊張している・軽いストレス状態なんですね。
それでは、集中している時、身体ではどんなことが起きているのでしょう。まず目や耳が集中すると余分な情報が入りにくくなります。これは頭の中では、脳の決まった部位を使い続けているということ。だから、時間経過と共に脳も疲れてきますので、適当に休んだ方が効率が上がります。「あきる」というのは脳を休めるための「心の指令」という考え方もありますが、好きな事はあきにくいので、ついつい「もうちょっと!!」と続けてしまいがち。そうなると疲労を溜め込んでいくことになります。特に趣味など好きなことに集中している時、心はストレスとして感じていないことが多く、むしろ快楽物質のドーパミンなどが出ていて、「かいか~ん!!」状態かもしれません。でもその場合、快楽物質によって「しんどさ」を感じにくくなっているだけで、心の健康には良いのですが、体は結構疲れているかもしれません。
集中にもいろんな形がありますが、一点に集中するような場合、例えば手芸や工作などしている時は、顔にも無意識に力が入って眉間にシワが入っていたり、下と上の歯がくっついていたりします。身体の力が抜けている時には下顎が下がっているので、口が閉じていても上と下の歯は離れています。歯がくっついている時点で下顎を持ち上げている状態で、そのためには、顎関節周りの筋肉も疲れますし、強く噛んでいる場合には頭の後ろまで凝ってしまいます。同じ動作が続くと同じ部位を使い続けることになるので肩が凝ることがありますが、もしかして下顎に力が入っているから肩が凝っているのかもしれません。また、鏡を見た時、眉間にシワの形跡がある方、お顔に力が入ることが多くなってませんか? これは美容のためだけでなく、目の疲れとも関係がありますから、特に細かい作業が多い方は要注意です。
それからスポーツも、良い成績を出すためにも危険回避のためにも集中というのは大切です。しかし、年齢を重ねていくと体力も落ちてきますが、「集中力」が途切れやすくなってきますよね(まだそういう感覚の無い方、若いです!!)。それは集中し続けるということは、意外と体力のいる作業だからです。だから最初からストレスを溜めていると集中できませんから、まず良い睡眠と食事で集中できるコンディションを整えておくことが大切です。
細かな作業に集中した後は、ラジオ体操のような全身を軽く動かす運動でリフレッシュ、集中が続く運動の後はストレッチなどの整理運動で心身をクールダウン。そして良い睡眠と食事で頭も体も復活させてあげてください。そうすると好きなことに集中することは、ストレスが溜まらない純粋な心身の栄養になると思います。

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