トップページ 》 会報【ねろりでげんき】の目次 》 ねろりでげんきNo.38




度々咳が出たり、咳が出たら止まらなくなったりすると本当に辛く嫌なものです。そうではありますが、咳にも大切な役目があります。一番大事な役目は風邪の時のようにウィルスや病原菌などの外敵やほこりなどの異物が、身体に入り込もうとするのを痰に絡めて外に出すという働き。また、食物が間違って肺からの空気の通り道である気管支の方に入りかけた時、それを外に出す働き。特にご高齢の方は嚥下機能が落ちるので、喉から気管支に分かれるフタの部分(喉頭蓋)も弱くなり、間違って食物が気管支に入り易くなりますので、それを咳で出す、というのは重要な役目です。
ただ、咳の出る原因は外からの困った物を出すだけでなく、身体の中に異変がある場合もあります。例えば、喘息の咳は気管支の粘膜が荒れてとても敏感になるため、普通はなんでもない物まで反応してしまい、更に悪い物を中に入れないように気道が狭くなってしまうので、空気の出し入れが上手くいかなくなり咳がでます。だから咳の原因は「気管支の粘膜が荒れて
(炎症を起こして)敏感になるから」で、薬での治療が必要となります。それから心臓に異常がある場合も就寝中に咳き込んだりしますので、妙な咳が続く場合はまずは病院で診てもらいましょう。
さて、ここからが本題。病院で「特に病気ではありませんが‥」と言われた場合です。これがどうしてよいかわからなくなり、結構困るのですよね。
喘息のような何らかの疾患でなくても気管支が敏感になってしまうことがあります。 よくある原因が「口や喉が乾いていること」。塩辛い物を食べた時の喉の渇きとは違う、唾液の量が減ってしまって口や喉が乾燥した状態で、ドライマウスと言われる状態です。健康な方の口や喉は、常に唾液によって潤っています。高齢になると唾液を作る唾液腺という器官がおとろえて、唾液の量が減るのでドライマウスになりがちですが、ご高齢の方でなくてもドライマウスになることがあります。次のような状態はありませんか?『緊張している時や集中し続けている時、面白くない会話中など咳がよく出ることがある。でも食事中や楽しくおしゃべりしている時、くつろいでいる時にはあんまり咳が出ない』こんな方は、ドライマウスかもしれませんよ。
唾液にはサラサラした唾液とネバネバした唾液があり、サラサラした唾液は食べ物の消化や吸収をつかさどる自律神経の副交感神経の働きで分泌されます。副交感神経は、身体がゆったりしている時、もちろん睡眠時も活発に働いていて、お腹の中で消化・吸収を行っています。自律神経というのは私たちが意識しなくても勝手に働いてくれる便利な神経ですが、その半面、私たちの意志では調整することができません。緊張や興奮状態、運動をしている時は副交感神経と逆の働きの交感神経が活発になり、サラサラとした唾液が減ります。怖い思いや緊張した時の「喉や口の中が乾いた感じ」というのは正に交感神経が活発な状態。交感神経の働きでも唾液は出るのですが、水分の少ないネバネバした唾液です。このように恐怖や興奮を感じてなくても、忙しい状態や心配ごとなどを抱えている時(ストレス状態)も副交感神経の働きが鈍るのでサラサラ唾液の分泌が鈍ります。すると口の中の水分も減るので喉が乾いた感じになり、咳が出やすくなります。だから病気でもないのに咳がひんぱんに出る方、咳が止まらなくなる方、自分はひどくストレスを抱えていないと感じていても、身体はストレス状態かもしれません。
  なお、サラサラ唾液が減ると咳が出やすくなるだけでなく、歯周病や口内炎、味覚障害のリスクも上がります。
サラサラ唾液をしっかり出すためには、副交感神経が働きやすい状態・気持ちがゆったり出来れば一番ですが、そんな時間はなかなかとれないという方、下記をお試し下さい。
食事を良く噛んで食べる。
(これは肥満予防にも効果があります)  
口の中を刺激すると唾液分泌を促せるので、歯磨き粉はつけなくてもよいので、緊張・集中時の前や後などの歯磨き。  
飴をなめる。
(これは咳が出る時、昔からよく使う方法ですね。)
唾液腺マッサージをする。
(マッサージ方法は下記に)
ドライマウスの原因には「無意識に口が開いてしまうこと」もあります。鼻の調子が悪くて口呼吸になっている時は、まずは鼻の治療を。また、あごや舌の筋肉が衰えると口が無意識に開いて、口の中が外気で乾いてしまいます。口を閉じている時、舌は上あごにくっついているはずですが、離れている方、舌の筋肉が衰えているかもしれませんよ。
大きな唾液腺は3カ所にあって、耳下腺はサラサラ唾液、顎下腺と舌下腺はネバネバ・サラサラ唾液の両方を分泌します。それ以外にも小さな唾液腺があるので全部マッサージしましょう。
下あごを親指と人差し指で軽くつまみます。下あごと首の間を親指でゆっくりと痛くない程度に押してください。指をやや外側・内側・奥側と少しづづ移動させながら押していくとじわっと唾液が出てくると思います。 
下あごを親指と他の4本の指で深めにつまみ、あご先からエラ部分まで少しづつ移動させながら全部の指でじわっと押します。
人差し指から小指の4本の指で耳の前側からほほにかけてを指を移動させながら押します。 
押し方は、ゆっくりとじわっと、痛くない程度に深く押して下さい。  口まわり、舌の筋肉体操は下記のお顔筋トレのコーナーをご覧下さい。 


「お顔のマッサージの間違い?」と思われるかもしれませんが、あくまで筋トレです。熟年層になってくると頬や目の周りがたるんだと感じたり、シワが気になってきます。それで、お顔に美容液などで油分・水分を補ってなんとか防ごうとします。これはこれで皮膚に対しては意味のあることです。でも、ちょっとここで発想の転換をしてみませんか。  
  例えば、お腹やお尻、年齢を重ねるごとに「たるんできたかも…」と感じる方も多いと思いますが、だからといって「皮膚がたるんできた」と感じて美容液を塗る方は少ないと思います。乾燥肌対策で保湿剤を使う方はいらっしゃるでしょうが……。お腹がたるんだとなると、まずは「腹筋運動」っていうのを思い浮かべませんか? お尻もヒップアップ体操などで鍛えようとしませんか? そうなんですよね、シワとなると皮膚の質が中心となりますが、「たるみ」となると筋肉の方に注目した方が効果があるようですよ。
お顔のたるみも「筋肉がたるんでいる」ということになると、やっぱりそこは「筋トレ」。でも顔の筋肉はダンベルやマシーンは必要ありません
(想像もできませんが…)。基本はしっかり動かすこと、言い換えると大げさな表情をして顔の筋肉を動かして鍛えるという方法です。
もしかして女優さんがいつまでも若々しい顔なのは(エステの効果もあるかもしれませんが)、普通の人以上に表情筋を使っているからではないでしょうか。特に舞台では大げさなぐらいの表情を作っていると思います。普通の生活では、そんなに感情が大きく動くことが度々無いので、表情筋の動きも小さくなってしまいがち。特にお子さんが小さい頃は、怒鳴ったり大笑いしていた方も、お子さんの成長と共に、表情筋の運動が少なくなっているかもしれません。表情の変化が乏しい生活をされている方、怒ったり悲しんだりの片寄った表情が多い方、特にお顔筋トレをお勧めいたします。
お顔筋トレの方法 
片目づつ順に、顔がゆがむほど思いっきりつぶって5秒間キープして下さい。思いっきり変顔です。その調子で今度は口角を思いっきり左側に寄せて5秒間キープ、最高の変顔を作って下さい。今度は右側口角側に寄せます。これ以外も思いっきり色んな顔の筋肉を動かして変顔、5秒間キープ。
次に表面で書いたドライマウス対策にもなる「口まわりと舌を鍛える筋トレ」です。まず舌を口の中で大きく回して、頬や下唇の下、鼻の下を口の中からできるだけ強く舌で押して下さい。それから、できるだけ大きく口を開けて「あ」5秒間キープ。次は両口角をしっかり上げて「い」5秒間キープ。次は唇を突き出して「う」5秒間キープ。最後に舌で下あごをなめるつもりで「べ」5秒間キープ。
筋トレは「キープ」が大切です。「どのくらいすれば良いか」ですが、筋トレなので疲れが残らない程度に、変顔が出来るタイミングでしっかりやって下さい。鏡の前で変顔を確認しながらしてみると楽しいですよ(^0^) 
それから、上記に「シワは皮膚」と書きましたが、やっぱり日々の表情と関係が深いようです。難しいことが多い方、眉間にシワの後がありませんか? よくする表情にシワがクセ付いてしまうので、そのためにも様々な表情を作って解消しましょう。
  お顔の筋トレについては私も始めたばかりなので偉そうなことは言えませんが、効果があるように感じています。ただ、目の周りは睡眠不足との関係が大きいようですので、生活改善も大切だと感じています。                                           


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