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「お医者さんから『精神的なものからくる痛みでしょう』と言われた」との話をよく聞きます。お医者さんにそう言われたら「それって、どうしたら治せるの?」って思いますよね。だって「痛い」のは事実なのですから。また、痛みそのものが凄いストレスなので「精神的な原因の痛みって言われても、痛みがある限りずっとストレス状態、精神的に不調よ!」ということにもなりますね。
でも、精神的なものからくる痛みだとしても「Ⅰ.精神的な原因→Ⅱ.何かが起きる→Ⅲ.痛みが起きる」としたら、「精神的な原因」を先ずどうにかしなくても、「Ⅱ.何かが起きる」部分を改善すると痛みが楽になったり無くなったりするかもしれませんし、その結果、精神的にも楽になるかもしれません。今回はそれを考えてみましょう。
「精神的なもの」は「職場に困った上司や同僚がいる」とか「子どものことが大変だ、心配だ」「私、難しい病気かも…」など様々ですが「精神的なものから何かが起きている状態」とは「ストレスが掛かった状態」とも言えます。ストレスの種類に関わらず、ストレスが有ると無い時に比べて身体全体が緊張状態になります。そうすると、
 ①身体にずっと余分な力が入った状態になります。
 ②血管が収縮気味になります。→全体に血流量が下がったり、血圧が上がります。
 ③眠れなくなったり、眠れても睡眠が浅くなります。→頭痛の原因になるだけでなく、身体の再生力が落ちて疲れや痛みがとれにくくなります。
 ④胃腸の働きが鈍くなります。→便秘気味や下痢気味になったり。胃の働きが悪くなるとお腹側だけでなく背中側にも痛みが出ることがあります。
 ⑤ストレス状態が続くと身体の抵抗力が下がります。→外からの菌やウィルスだけでなく、自分の身体に潜在的にいる菌やウィルスにも負けてしまって痛みの原因になることがあります(帯状疱疹もその一つです)。(ウィルスや菌が疑われる場合は、病院での治療の継続をお勧めします)
 更に悲しいことに、緊張状態が続くと「痛み」の閾値が下がる=痛みのセンサーが敏感になって、痛みを感じ易くなります。病名がつくほど酷い状態になれば病院での治療となりますが、そうでなければ「精神的なもの」として鎮痛薬や消化促進薬みたいな薬は処方されますが「痛みを一時的に抑えるだけ? 治らない?」となってしまいます。
そこで、今回は「Ⅱ.何かが起きる」の内、「①身体にずっと余分な力が入った状態」を改善して、痛みを緩和したり無くしていくことを考えてみます。「②血管が収縮気味」の改善にも繋がります。
普段、身体に力が入っていると感じていなくても、例えば座っている時でも身体を真っ直ぐに保つために筋肉は働いている=身体には力が入っています。緊張している時というのは、更に力が入っている状態ということになります。だから、常に無意識に力は入っているので、余分な力が入っていることに気づかなくても仕方ないと思います。しかし、余分な力が入っていると次のA~Dのようなことが起こります。緩和方法も含めて書いてみました。

A.上半身に力が入ると奥歯をかみしめる程でなくても、上下の奥歯がくっついた状態になりがちです。そうなるとほっぺた(顎関節回り)がこり、それは耳の不調につながります。また、頭の後ろ下側、酷くなれば首の後ろ側もこってきます。頭痛の原因としてはよくあるパターンですが、普段は自覚が全く無く、突然、ちょっとした動きで「首を寝違えた」「筋を違えた」となる原因でもあります。
蒸しタオルで、ほほ、特に耳の直ぐ前側、首の後ろから頭下側を温めましょう。血行を良くするだけでなく、「じわっと気持ち良い感」が副交感神経を働かせることに繋がり、それが大切です。

B.考え事が多いと、うつむき加減になるだけでなく、下顎にも力が入り、前歯も上下がくっついた状態になりやすく、顎関節回りはもちろん顎下から首の前側もこります。首の前側には大きな血管(頸動脈)が通っていますから、首から上全体の血行を悪くしてしまいます。 
タオルでロールを作り、それを首の下に入れて仰向けになり5~10分そのままで。出来るだけゆったりとした呼吸で身体の力を抜いて。そのまま寝入ってしまわないようにタイマーなどをセットしてどうぞ。首後ろと同じ要領で首前側をタオルで温めるのもお勧めです。
変顔体操を。思いっきり大げさな口の動きで「あえいおあう」をゆっくりと言ってみましょう。目もぱっちり見開いたり、ぎゅっと閉じてみたり、思いっきり変顔をしてみましょう。

C.無意識に力が入る時、肩にも力が入りがち、そうしたら肩が少し上がり気味になります。肩を持ち上げた時に特に働くのが肩甲骨、だから肩甲骨がこります。無意識に肩を上げているので、左右の力の入り方は、バラバラのことが多いです。なので、どちらかが酷くこった状態になることが多いです。「左(右)肩甲骨あたりが酷く痛い」原因はそれかもしれません。

D.上半身の片側のみが酷くこった状態、言い換えると上半身が歪んだ状態になります。上半身をのっけてバランスをとっている腰は、上半身の歪みに対応しなければならず、その結果、腰に負担がきます。腰は上半身と下半身のバランスをとっている箇所なので、上・下どちら側の左右バランスが悪くなっても、腰に負担がきます。腰に直接原因がなくても脚や肩の調子が悪ければ腰回りがこり、腰痛の原因になります。腰回りの不調に気づかなければ「寝違えた」と同じで、ある日突然「ぎっくり腰」を起こすことになってしまいます。
肩甲骨をほぐしましょう。ゆっくりと大きく肩回しや、左右の肩甲骨をくっつけるような気持ちで肩を後ろに下げたりして肩のストレッチをしてください。
ストレッチポールでゴロゴロも良いですね。円柱タイプが多く販売されていますが、ハーフカット(半円型)もあり、このタイプはバランスがとりやすく、高齢の方にもお勧めです。
ジェイコブソンという人が考えた漸進的筋弛緩法の手法で、身体の力を抜いてみましょう。  身体の各部分に5秒ほど思いっきり力を入れて、一気に力を抜き脱力感を味わうものです。  
大きく息を吸った後、息をとめて上半身に力を入れます。腕を曲げて胸当たりで思いっきり強く握り、身体を小さく丸めるような感じで肘や肩にもしっかり力を入れて下さい。そうすると、自然にお腹もへこむ感じで力が入ると思います。顔にも力が入ると思いますが、目や口もぎゅっと閉じて下さい。
 力を入れて5秒頭の中で数えた後、思いっきり力を抜いて下さい。力を抜いた瞬間、「ハーッ」と大きく息を吐き、その勢いで脱力して下さい。腕は肩からだらんと下に落ち、顔も口がぽかんと開くと思います。
 30秒はしっかりと呼吸をして下さい。大きく息を吸ったらゆっくりと息を吐いて下さい。
 手や足先がじわ~んとしたり、なんとなく温かい感じがしてきたら大成功です。★息が整ったらもう1セット、3セットはしてみましょう。 
仰向けになり両腕でぎゅっと膝を抱え、出来る限り身体を小さく丸めてください。今度は、お尻や膝、足先を意識して力を入れてください。
 力を入れて頭の中で5秒数えた後、一気に息を吐き脱力し、大の字になって下さい。
 脱力したら、①と同じ要領で、ゆったりと息をしてみましょう。
身体全体をほぐしながら血行をよくしましょう。
 仰向きに寝て、出来るだけ身体の力を抜いてみます。寝たまま肩甲骨の間の背骨あたりを中心にして、左右の肩を互い違いに上下してみましょう。身体を起こしてする時と違って、肘だけでなく、腰や顔も自然と左右に振れ、そして、手や足先まで振れると思いますが、身体の力が抜けているほど手や足先まで大きくふれます。肩の上下の動きは無理の無いスピードでして下さい。左右両方で1回とすると10回ほどして深呼吸3~5回で1セット。先ずは3セットほど試してみましょう。
一日のうちで、少しでも「幸せ~」と感じる時間をつくりましょう。

「精神的なもの」と病院で言われても「今は何のストレスも無いけど…」「今の生活に不満は無いです」と、さっぱり原因が解らない場合があります。これについては、また今度の機会に考えてみたいと思います。




そもそも「幸せ」を感じることができる方はまだまだ大丈夫です。「お金がないから幸せなんて感じられない」…確かに金銭的事情と幸せ感との関係はあると思います。でも、全てではありませんよね。「あの人ってお金持ちだけど、細かいことで不満ばっかり、誰も信用できないんだって」という話を聞くと「ふーん…悲しい人だな…」と思います。「貧乏暇なし」とか言っているけど、いっつも楽しそうにしている人もいますよね。何を幸せと感じるのかは人それぞれ。「一口のスイーツ、ふかふかの布団、子どもの笑顔、愛ペットとの時間、平和な風景etc.…」のように日々の生活に幸せを感じる場合もあれば、「たまにある豪華な時間」の場合もあるでしょう。幸せと感じるものは違っていても、「幸せ」と感じられる心が保てていることが大切なのだと感じる、今日この頃です。

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