 |
 |
夏の土用の頃(7月下旬から8月上旬頃)、新陳代謝が最も活発なこの時期は、東洋医学では「脾(膵のこと)・胃」の気が旺盛であり、同時に気を付けないといけない時期としています。暑さで食欲が落ち、「夏やせ」される方もいらっしゃるのでは? 夏に体重が少し落ちるぐらいは自然の摂理ですので、今回は「夏やせ防止」よりも、よく皆様方から聞かれる「やせるツボってないの?」のお話しをしましょう。
|
 |
|
ツボとは正しくは「経穴(けいけつ)」の事です。現在WHO(世界保健機関)で定められている経穴は、身体に一カ所しかない単穴が52と左右に一箇所づつある双穴が309、全部で361、全て名前があります。(これ以外にも「あ〜そこ〜気持ち良い〜」のツボがありますが、これは阿是穴(あぜけつ)と言って名前がありません。)私が施術するのも経穴を使っています。
それで、この中で「やせるツボは……?」。簡単に答えてしまうと「直接効くツボはありません」。
そもそも経穴というものは、古代中国から伝承されたもので「気と血」が出入りしたり合流したりする場所、身体の調子を整えるためのポイントです。太るほど沢山食べられるようになったのは現代になっての話、昔はお腹一杯食べられたのはごく一部の人だけで、太り過ぎの治療などというのは必要がなかったのではないでしょうか。 |
 |
でも「経穴では全く処置なし」ではありませんよ。殆どの経穴は内臓と繋がっていると考えられていますので、経穴を利用し、胃腸の働きを活発にして全体の新陳代謝を上げていくと、結果的にやせられるかもしれません。消化器官に関する重要な経穴は膝から足先にかけて、循環器官については肘から手先にかけて集まっています。ですので特定の経穴を刺激するだけでなく、肘から先、膝から下を(特に指はしっかりと)刺激すると新陳代謝が上がります。刺激は揉んだりも良いですが、ブルブルっと振るのも簡単で気持ち良いものです。
本来の機能を上げて自然な形でやせるのが、健康的にやせられるコツではないでしょうか。
五行の色体表はこちらに載せています。 |
|
|
 |
暑い時の疲労回復にも、ハーブティをどうぞ。アイスの場合は、ホットでいただく時より濃いめ(2倍程度)のハーブをお湯で出してから、冷やすと美味しくいただけます。
●ビタミンCとクエン酸をたっぷり含んだローズヒップとハイビスカスのブレンドティーがお勧め。酸っぱいのが苦手な方ははちみつを加えると飲みやすくなります。
●レモングラスは胃腸を整え消化吸収を助ける作用が、レモンバームはイライラを押さえてくれる作用があります。これらは優しい酸味ですので、ストレートでも良いですが、紅茶に加えるとレモン様の香りの爽やかな紅茶ができます。。
|
 |
|
●身体の中からすっきりしたい時は、ペパーミントティがお勧め。ホットでいれてもメントールのスッキリ感が爽やかに感じます。また、冷たい物や脂っこい物で弱った胃腸の調子も整えてくれます。(ペパーミントは食べ物の味が変わるので食後がお勧め) |
|

|
「健康的に痩せられるコツ」なんて偉そうに書きましたが、私は「水飲んでも空気吸っても太る体質なのよ」なんてごまかしてるタイプです。空気を吸って太るはずは無いですから単なるカロリーオーバーです。
お客様の中には、痩せの大食いタイプの方もたまにいらっしゃいますが、だいたいの方は食べる事と体型が納得の状況のようですね。(もちろん運動量もありますが)スリムな方は「甘い物や肉類が苦手」「野菜が大好き」「間食の習慣がない」など「なるほど」と思います。
それから「食べるのがゆっくり」これも納得です。満腹感を感じるシステムは血糖値など様々な要因がありますが、食べ物を噛む事によってもシグナルが出されます。そのシグナルが脳の視床下部にある満腹中枢を刺激し満腹感となるので、早食いだとシグナルが十分に出ず満腹状態と感じるのが遅れてしまいます。
|
|
|
しっかりカミカミするのはダイエットのためだけでなく、身体にとって様々な面で良い事だらけです。早食いの方はゆっくり食べを心がけてみるのも身体のためには良いと思いますよ★
|
暑い夏を乗り越えるお食事を
|
右図は、各々の臓腑は時計周りの関係で助けあっている(相生関係)という事を表しています。例えば「脾(東洋医学で膵のこと)・胃」が健康であれば「肺・大腸」も調子が良くなります。逆に「脾・胃」が調子が悪いと「肺・大腸」も調子を崩します。
夏は脾・胃の気が旺盛ですが、この時期に無理をして壊してしまうと身体の抵抗力(免疫力)が落ちてしまうので、秋になって風邪や下痢など体調を崩しやすくなります。
ですので、風邪をひかない身体づくりは、夏の食生活が大切です。
|
 |
でも暑い時期、冷たい物ばかり口にしてしまいがち。また、冷たいビールのおつまみは、味の濃い物、脂っこい物になりがち。そうしていると、ついつい胃腸を酷使してしまいます。胃に優しい食生活は夏バテ予防にもなりますから、ちょっと工夫してみましょう。 |
●そうめんや冷や奴・そばなど冷たい食べ物には、ねぎ・生姜・しそ、みょうがを添えて
→これら身体が温まる物と一緒にとると冷えを和らげますし、薬味の風味で塩分も押さえられます。
●ごうや、ピーマン、トマト、おくらなど旬の野菜をたっぷりと。
→ごうや・ピーマンなど苦い野菜は身体を冷やす作用があるので、暑くてたまらない時、身体がほてるのを押さえてくれます。トマトはビタミン豊富で夏バテ防止だけでなく血圧降下作用も。おくらなどねばねば野菜は腸の働きを整えてくれます。
●豚肉、ゴマ、大豆食品などビタミンB1たっぷりの食べ物を
→ビタミンB1に糖質がエネルギーに変わる時に必要で、疲労回復には必須の栄養素です。また、アルコールを分解する力もあります。
●お肉は、にんにく、玉ねぎ、ニラ、あさつきなどと一緒に。らっきょうも添えて。
→これらユリ科の食物はビタミンB1の吸収効率を上げます。また解毒酵素作用・抗酸化作用も。
●冷たいビールのおつまみに枝豆、かつおのたたきがお勧めです。
→これらはビタミンB1豊富な上、かつおには肝機能を高めるタウリンが豊富。枝豆は大豆の若い状態ですが、大豆よりもビタミンA、Cに富み、必須アミノ酸のメチオンがアルコールの代謝を促してくれます。
●疲れた時はさっぱり酢の物を
→酢酸は体内でクエン酸に変わります。クエン酸は運動によって使いはたしたグリコーゲンを回復させたり、カルシウム、マグネシウム、鉄分などのミネラルの吸収を助けます。
●食欲の無い時には梅干しを
→梅干の酸味は唾液の分泌を促し、消化吸収が活発に。またクエン酸も豊富で疲労回復も。
●冷たい飲み物の一気飲みはやめましょう。少量づつこまめに水分の補給を。
→暑い時期の水分補給は大切ですが、一気に飲むと折角とった水分も汗で一気に出てしまいます。身体をじわっと潤すつもりで水分をこまめにとりましょう。
●香辛料たっぷりのカレーを(辛さはマイルドでね)
→カルダモン、クミン、コリアンダー、ターメリックなどの香辛料は胃腸の調子を整える作用があります。
上記の内容を見ていると、昔からの夏の日本の食卓が見えてきませんか?(カレー・ビールは別にして) どうぞ旬の物をしっかり召し上がって夏を乗り越えて下さいね。
、
|