■草木が新芽を吹く季節は『肝』の気が旺盛です。東洋医学の『肝』には肝臓という臓器だけでなく、血液(特にその質)という意味も含みます。豊かな血液を身体の末端まで巡らせている状態を、木々が水と養分を吸って枝の先まで行き渡らせる様子で表現し、最も勢いよく成長する春は『肝』が最も働く季節としています。
■ところで、バイタリティ溢れる方の事を「血の気が濃い人」と言いますが、正にこれは『肝』の気がとても旺盛な方を表現した言葉です。肉類が大好きで食欲旺盛、貧血なんてあり得ない濃い血の方、いつもエネルギッシュに活動し、お酒も強かったり……いつも肝臓パワー全開状態の方です。このタイプの方の性格は、情緒豊かで精力的に仕事をこなすけど、気が短いのが“玉にきず”。
●食べ過ぎ・飲み過ぎ。脂っこい物や甘い物、お酒は言うまでも無く、タンパク質の取り過ぎに注意。タンパク質(アミノ酸類)の分解・排泄は肝臓だけでなく腎臓の負担も大きいです。
◆「春眠暁を覚えず」という故事かありますが、春はなんとなく眠たい季節です。就寝中に気持ち良く眠れるのなら良いのですが、目覚めていても身体がだるい・眠いなどの症状があるとちょっと困りものです。もしかして、身体が未だ“冬眠”から覚めてないのかもしれません。
例えば、睡眠を誘う脳内の物質(メラトニン)は、暗さを感じると分泌を始め、自律神経に働きかけて身体をお休みモードにしていきます。春になって日が長くなっているのに、それを感じない生活をしていると、メラトニンの分泌がいつまでも冬のパターンを引きずり、自律神経の調子を狂わしてしまいます。
ローズマリーには血流を高める作用があり脳の活性化にもよいです。ただし、血圧の高い方にはお勧めしません。ペバーミントは、カフェインのように中枢神経を興奮させる働きがあり、目覚めをすっきりさせてくれます。でも妊婦さんや小さいお子さんは控えて下さいね。また、多くの柑橘類の皮はリモネンという成分を多く含み、交感神経を活性化する効果があります(注)。柑橘類の精油は皮から搾るので、果肉以上にその効果は期待できます。頭がポーッとする時には、レモンがお勧めで、こちらは特に禁忌はありませんのでどなたでも使えます。(注:レモンは副交感神経に働く成分も含み、レモンの精油の作用としては降圧に働きます。)
退屈した時・疲れた時や眠たい時・寝起きなどに出るあくび、猫や犬もあくびをしますが、なんと鳥や爬虫類もあくびをするそうです。なぜあくびが出るのかは様々な説がありますが、実のところはまだよく解っていません。眠たい時に頭を覚醒させるためとか、緊張をほぐすために出るとか言われています。
ところであくびは伝染する事がありますが、それは人や猿など感情を持った動物だけのようです。そして、赤の他人よりも身近な人や同じ状況にある人など、気持ちが通じ合う人の間で伝染するようです。もし、貴方が愛犬の前であくびをして、ワンちゃんにあくびがうつったとしたら、貴方とワンちゃんは気持ちがしっかり通じ合っているのかもしれませんね。
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